2021/05/24
ヨガをしているときはずーっと呼吸に意識を向けています
「呼吸を意識して心身バランスを整える」
何かをしている時も、していない時も、頭の中ではあれこれと考えている。つまりぼーっとしている時も脳は働いています。
悩んでいる時など、頭の中では「その思い」がぐるぐると回り続けていて、「その思い」によって人の「呼吸」は変化しています。悩んだり苦しんでいる時は無意識に呼吸を止めていたり、「虫の息」というように浅く呼吸数も少なくなります。姿勢も頭はうな垂れ、胸は圧迫されたような状態になりがちです。
一説には、人間は30度首を下に傾けるだけで脳血流は37%まで落ち、首へは18kgもの重みがかかります。さらに悩んでいたりすれば、呼吸が浅いわけですから身体も脳も酸素欠乏状態になるのです。
コロナ禍でのマスク着用が、さらに追い打ちをかけています。マスクを着用すると、どうしても「口呼吸」になってしまうからです。人間の呼吸数は通常の鼻呼吸ですと5分間で平均29回だそうですが、マスクの中での「口呼吸」では呼吸数は5分間で55回にもなり、呼吸回数が増えてしまというわけです。
「口呼吸」を繰り返すと首の前の胸鎖乳突筋が固くなり、肋間筋、横隔膜などのいわゆる「呼吸筋」を動かさなくなります。すると毛細血管の血流の低下が起き、「疲労感」「腰痛」「肩凝り」「集中力の低下」などが起こってきます。
筋肉も使っていないと退化しますので、ヨガでは「肺活」=呼吸筋をあえて使う呼吸をしています。
6月「梅雨の時期」は特に空気中の酸素濃度が低下しますから、ぼーっとしたり、やる気が起きにくい、生あくびが出る、うつ病にもなりやすい。
ほとんどの人の呼吸は本来ならば「無意識」ですが、ヨガではあえて「意識的」に呼吸をしていきます。無意識の「呼吸」は「心」に支配されていますが、意識をした呼吸は逆に「心」を支配します。よく頭に血が上るように怒りがこみ上げると「深呼吸しなさい」と言われたりします。これは感情も深呼吸によって平常心が戻ってくるからです。心の波を「荒波」から「さざ波」へと呼吸を変えてくれるのです。
「呼吸を変えると心が変わり、心が変わると、行動(所作)が変わり行動が変わると身体(脳、内臓、筋肉)が変わり、身体が変わると運命まで変える」といわれています。
鼻呼吸を深くゆっくりと、呼吸に意識を向けながら行っていくだけで脳血流に変化が起き、脳の背内側前頭前野の厚みが増すことが分かっており、悩まない脳へと変化しているといわれています。海馬の容積も増え認知症、うつ病になりにくくなっていくそうです。
深い鼻呼吸をすると、肺の中にある細胞(肺胞)にプロスタングランデインI2という物質がたくさんでき、血管を拡張させたりし血圧を下げたり、動脈壁にコレステロールなどの血中脂質がくっついたり、染み込むのを防いでくれます。この物質(プロスタングランデインI2)は医薬品にも使われているのです。
そのような身体に薬となるようなものまで、「呼吸」により自然と分泌されていたんですね。
深い呼吸は、副作用もない身体にいい天然の薬を自ら分泌させてくれるというわけです。
人は幸せを感じているときは、自然と深い呼吸をしています。
ヨガは「無意識の呼吸」を「意識した呼吸」にして、心と身体を良い状態にしていくものです。
五十嵐ちえみ プロフィール
「ニューヨーク・ヨガ」代表
ヨガ、加圧トレーニングの指導をしております。皆様の身体、心のコンデショニングをお手伝いさせて頂いております。
・Amebaブログ
New York YOGA ~デトックス ヨガ~
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