第22回心も体も変わる温活レシピ
温活には減塩より適塩!「豆乳塩ヨーグルトのディップ」
【温活料理研究家 小川原智子さん】

第22回心も体も変わる温活レシピ
温活には減塩より適塩!「豆乳塩ヨーグルトのディップ」
【温活料理研究家 小川原智子さん】

2022/12/27

温活に塩は元気のもと

人間の生命維持に欠かせない大切なミネラルであり、基本の調味料である「塩」。海水を煮詰めて作った海水塩には、主成分の塩化ナトリウムのほか、さまざまなミネラル分が含まれ、そのバランスは人間の血液や体液と近くなっています。

東洋医学では、塩をはじめとする塩気のある食べ物は「陽性」の食べ物に分類されます。塩を摂取すると、腎の機能を強化し、寒さに耐える力を増強し、体内の冷えを防ぐことができると考えられています。塩を摂ると、発熱現象が起こり、体が温まります。

しかし世の中では、「減塩、減塩」という風潮です。味噌でも、醤油でも、塩分をカットした「減塩醤油」や「減塩味噌」が出回っています。塩は高血圧の元凶として、すっかり悪者扱いで、塩は減らせば減らすほどよいとされ、減塩というと体によさそうなイメージがありますが、きちんと塩分を摂らないと、元気がなくなってしまいます。

・疲れやすい
・体が冷える
・イライラしやすい
・だるくてやる気が出ない
・代謝が悪くて太りやすい

こんな方はミネラルが不足していて、心身の不調が出ているかもしれません。ミネラルを含んだ塩を意識して摂るようにしましょう。

ミネラルは体の潤滑油。ほかの栄養素が摂れていても、ミネラルが不足してい

ると、体がうまく機能することができません。体を整えるには、塩は塩でも、精製されていないミネラルが含まれた「自然塩」。塩化ナトリウムのほかにカリウムやマグネシウムなどの微量ミネラルをさまざまに含んでいます。

塩の味は、ミネラルのバランスで決まるといわれています。海水の主成分は、塩辛い味の塩化ナトリウム。塩化マグネシウムと硫酸マグネシウムは苦み、硫酸カルシウムは無味ですが甘みを添え、塩化カリウムはキレのある酸味が特徴となります。

精製された塩は、塩化ナトリウムばかりでカリウムが含まれておらず、血液や体液のバランスが崩れてしまいます。ナトリウムだけを偏って摂っていると、高血圧になりやすいのです。いわゆる減塩が必要なのは、精製された塩。

塩といっても、産地や原料、製法によって違いがあります。

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◆産地でみる塩の種類
【純国産塩】
日本国内で海水から直接生産する塩。

【外国産塩】
外国で生産または再製加工され、輸入されている塩。輸入塩のほとんどがメキシコまたはオーストラリア産の天日塩田の塩。

【二次国産塩】
日本国内で外国産塩を再製加工した塩。

◆原料による塩の種類

【海水塩(自然塩・自然海塩)】

海水を天日により乾燥、濃縮、または煮詰めて作った塩。

【岩塩】

大量の海水が干上がり、堆積した各ミネラル類の層から塩化ナトリウムの層を採取したもの。一般に塩化ナトリウムの純度は高い。日本では産出しない。

【湖塩・泉塩・井塩】
塩湖水や塩泉水、塩井水を原料にして生産した塩。日本では産出しない。

◆製法でみる塩の種類
【煎ごう塩】

真水と濃い海水に分ける方法で濃縮し、平釜で煮詰めた海水塩。

【天日塩】
海水を天日塩田で濃縮し、結晶させた塩。

【直煮塩】
海水を直に釜で煮詰めて結晶させた塩。

【イオン交換塩】
海水をイオン交換法で濃縮し、真空蒸発缶で煮詰めて結晶させた塩。

【天日採取塩】
岩塩や自然結晶した湖塩などを採取した塩。

【再製塩(再結晶塩)】

海外の天日塩を日本の海水で溶かし、煮詰めて再結晶化したもの。水で溶かし、にがりを加えたものもあります。

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あなたは、どんな塩をお使いですか?

1997年の塩専売法廃止に伴い、さまざまな自然海塩、自然塩が作られるようになりました。産地や製法によって味も見た目も違いますので、自分好みの塩を選んでみましょう。

海水塩は、精製塩と比べて値段が高くなります。比較的お手頃のものから高価なものまでさまざまですが、極上の塩は少量でも味が決まって、食材の味を最高に引き立ててくれます。さらに、体に必要な微量ミネラルの補給もしてくれます。

海水塩と精製塩の大きな違い。それは、ミネラル成分です。精製塩にはナト

リウム以外はほぼ含まれないのに対して、海水塩には、マグネシウム、カルシウム、カリウム…その他のミネラルも含まれています。私の料理教室では、海のミネラルバランスをそのまま結晶させた「海水塩」(自然塩)を使っています。ひとつまみの塩で食べ物のうまみを引き出してくれ、料理がぐんとおいしくなるのです。「海水塩」は、「精製塩」と比べて、ほのかな甘みも感じられて、お料理の奥行きも増してくれます。 

海水に含まれている多様な微量ミネラル分をそのバランスのままに結晶させた「海水塩」。海は「母なる海」と呼ばれるように生命誕生の場所。海水には、主成分の塩化ナトリウムのほか、さまざまなミネラル分が含まれ、そのバランスは赤ちゃんが育つ羊水や体をめぐる血液、体液に近くなっています。細胞がいつも健康でいられるよう、体液のミネラルバランスを適切に保つ必要があります。

そこで必要なのが塩。塩は体に入ることで、体調を整えてくれる「元気の源」となります。

塩がいいといっても、食後にのどが渇くほどというのは塩を使いすぎです。一人一人体形が違うように、必要な塩分量は個人差があります。また季節や体調によってもちょうどいい塩の量が違ってきます。寒い地域や季節ではやや多めに、熱い地域や季節ではやや少なめにすると、バランスが取れます。

疲れを感じるときや寒くて冷えを感じるとき、汗をかいたとき、寒い季節には、若干塩分を多めに。寒い冬になると、寒さに耐えるために、体は塩気のある食べ物を欲します。自然塩には、保温作用があります。世界的に見ても、極寒の地域の料理は塩が多めに使われています。日本でもそれ例外ではありません。東北地方では、塩気の強い漬物が昔から好まれて食べられてきましたが、これは冬の寒さを乗り切るための生活の知恵であります。料理に塩気をきかせると、体がしゃんとして、元気になります。体を冷やしたい、リラックスしたいとき、あまり体を使わなかったとき、暑い季節には、塩分は少なめに。火にかける時間を短くすると、さらに効果的です。

塩分の量は、自分の舌を使って、調整しましょう。おいしく感じる塩加減が、体が求めている塩分量の目安になります。体内の塩分が欠乏しているときは、塩は甘くおいしく感じられます。反対に体に塩が十分のときには、塩分はしょっぱく、苦く感じられ拒否反応をします。よい塩梅(あんばい)という言葉がありますが、ちょうどよい塩加減で料理することが、体にとってもいい状態となります。「塩梅」とは塩や梅酢などの調味料のことをいいます。

おいしい塩加減を覚えると、料理の味は格段と変わります。ごはんや野菜料理が本当に美味しく仕上がります。体の冷えに悩んでいる方は、食べているうちに体がぽかぽか温かくなるのを感じるかと思います。

私たちは塩がなければ生きていくことができません。健康的で楽しい毎日を送るためにも、欠かせないもの。温活には減塩ではなく、自然塩で適塩!体を温める上で、自然塩は有効であり、免疫力を高めるのに役立ちます。

豆乳塩ヨーグルトのディップ

◆材料(作りやすい分量)

豆乳ヨーグルト 400
自然塩 2g
黒こしょう 少々
クラッカー(または玄米ポンセン) 適量
ラディッシュ 1個
ベビーリーフ 少々
自然塩 少々

さらしまたは厚手のキッチンペーパー

◆作り方

①豆乳ヨーグルトに自然塩を加えて混ぜ合わせ、ざるの上に敷いたさらし(または厚手のキッチンペーパー)の上に乗せる。
②さらしで豆乳ヨーグルトを包み、重石を乗せて、冷蔵庫で半日置いて、水分(ホエー)を切る。
③器に盛って、黒こしょうを振る。
④ラディッシュは薄い輪切りにして、自然塩少々をまぶしておく。ベビーリーフは洗って水切りしておく。
⑤クラッカーやポンセン、輪切りしたラディッシュ、ベビーリーフを添える。

【豆乳塩ヨーグルトのアレンジ】

水切りする時間によって、アレンジが楽しめます。
◇水切りなし・・・ゆるいペースト状
◇半日水切り・・・マヨネーズ状
◇1日以上水切り・・・クリームチーズ風

小川原智子著「人生が変わる!心と体を温める料理教室」(フォレスト出版)

小川原智子著「人生が変わる!心と体を温める料理教室」(フォレスト出版)

小川原智子(おがわらともこ)プロフィール

体温を上げる料理研究家 イエローハーモニー代表

1971年大阪生まれ。

2001年、マクロビオティック料理教室イエローハーモニーを茨城県土浦市にオープン。

延べ1万2000人の生徒を指導。料理教室をはじめ「食卓から世界を笑顔に」をテーマに温活商品のプロデュースや料理レシピの制作、起業向けの健康経営研修、小中学校での食育講座などを行う。

講演会の登壇は300回を超え、活動の場が全国に広がっている。著書「人生が変わる!心と体を温める料理教室」(フォレスト出版)

・小川原智子公式HP
https://ogawaratomoko.com/

・小川原智子公式ブログ
http://ameblo.jp/crescentmoko

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