第19回心も体も変わる温活レシピ 海藻を食べると、美髪に!
【温活料理研究家 小川原智子さん】

第19回心も体も変わる温活レシピ 海藻を食べると、美髪に!
【温活料理研究家 小川原智子さん】

2022/09/24

海藻を食べると、美髪に!

海に囲まれた日本では、大地に不足する微量ミネラルを海の恵み「海藻」で補ってきました。人間の体液は、海の水とほとんど成分が同じで、カルシウム、マグネシウム、鉄などのミネラルの比率がよく似ているのです。そんなところから、海の中で育つ「海藻」を食べると、体のミネラルバランスが整ってきます。
 
「海藻」というと、食べやすいのはわかめやのりでしょうか。昆布は、料理の基本となるだしに欠かせません。「海藻」は、1つの海藻をたくさん食べるよりも、いろいろな種類を少しずつでも続けて食べた方がさまざまなミネラルを補え、体によい効果をもたらしてくれるといわれています。
江戸時代、庶民が日常よく用いる食品食物に詳しい解説をした「本朝食鑑(ほんちょうしょくかがみ)」(人見必大著、平凡社)にも、海藻類の体への薬用効果が紹介されています。

 例えば、「ひじきは血を良くする。あらめは婦人の諸々の病い・便秘・できもの・腫瘍を治す。」などと記されています。
 
東洋医学の相似の法則でいうと、「海藻」は私たちの髪の毛に対応しています。昔から「海藻を食べると髪が黒くなる」といわれています。東洋医学には、五臓にはそれぞれ密接に結び付く色があり、髪に影響を及ぼす「腎」は、黒と対応しています。そのため、黒いものを食べると「腎」が養われ、髪も元気になると考えられてきたのです。

東洋医学では「腎」と髪との関係が深く、「腎の華は髪」といわれています。髪が細い、髪が乾燥しがち、髪につやがない人は、腎が弱まっている可能性があります。

 「海藻」に含まれるネバネバ成分であるフコイダンには、毛母細胞を活性化させる働きがあります。
また髪は、東洋医学では「血余(けつよ)」といわれています。血が余ってないと、髪は乾燥したり、細くなったり、抜けやすくなったりしてしまいます。
 鉄分、カルシウムが豊富なひじきは、血を補うので、特に美髪に効果があるといわれています。質のよい血でできた髪は、サラサラ、ふさふさ、艶髪になります。

 実際、料理教室の生徒さんの中で「海藻を食べると髪が黒くなる」を体感された人がたくさんいます。40代になって薄毛に悩まれていた生徒さん、料理教室で実習した「海藻」のあらめを大変気に入られて、インターネットで1キロの大袋まで購入されました。クセがなく甘みがあって、すぐに戻って料理しやすいあらめ。

毎日少しずつ食べるようにしたら、髪が黒くなって、ボリュームも出て、薄毛も気にならなくなったそうです。髪質までよくなって、今では「黒髪美人」に。

髪は加齢とともに、細くなったり、ボリュームがなくなったり、白髪になったりして、エイジング対策が気になるところであります。
 髪は、ケラチンというたんぱく質でできているので、良質なたんぱく質をとることも大事です。意外かもしれませんが、海藻には、たんぱく質は平均して10%前後含まれており、中でも海苔は、40%近くも含まれています。

たんぱく質の代謝に関わるビタミンB群も欠かせません。主食を白米から胚芽米や玄米にすると、効率的にとることができます。海藻には、ビタミン類が野菜中の含有量よりずっと多く含まれています。特に海苔には、陸上植物にはほとんど存在しないビタミンB12も含まれています。

 髪には、ミネラルも大切。特に、たんぱく質の合成や新陳代謝などに関わる亜鉛。亜鉛は、女性の生殖生理作用においても重要な働きをしています。必須微量ミネラルの亜鉛、セレン、銅など必須ミネラルが不足すると、女性ホルモンのバランスは乱れ、生理痛、生理不順が生じやすくなるといわれています。特に、ミネラルの中でも亜鉛が不足すると、脳下垂体で作られる性ホルモンの分泌量が低下し、卵巣の成長不良を生じます。

亜鉛は別名「セックスミネラル」と呼ばれる栄養素。男性ホルモンの合成に関わっていて、亜鉛が少ないと精巣(睾丸)の精細管が委縮して、精子を作りにくくなることがわかっています。

女性の場合、亜鉛が不足すると女性ホルモンの分泌量が減少し、子宮内膜が早くはがれ落ちて出血を起こし、生理不順となります。また、亜鉛が不足すると卵胞の発育に時間がかかるため、排卵が遅れたり、卵子の排卵がない「無排卵性月経」を生じたりします。
 亜鉛は、玄米、魚介、肉、海藻、野菜、豆など多くの食材に含まれており、健康的な食事をとっていれば、不足することはないといわれています。しかし、加工食品の中の添加物が亜鉛吸収を阻害するので、加工食品をよく食べるという人は、亜鉛が不足しているかもしれません。
亜鉛は、体の中で合成することはできないので、食べ物から補給する必要があります。亜鉛の含有量がナンバー1に高いのが牡蠣。ひじきやわかめ、昆布など海藻類にも多く含まれています。

「海藻」は、野菜と比べて陽性の食べ物で、食べることで体も温めてくれます。ただし、食べ過ぎには注意。体にいいからと四六時中続けて食べ続けていると、ヨウ素の耐容上限量を超えてしまい、甲状腺の病気の引き金になることもあります。もちろん普通に食事で食べている分には、問題がありません。
 季節に合わせて、調理法やアレンジを楽しんで、おいしくいただきましょう。

美髪に役立つ温活レシピ「小松菜の磯部和え」

【材料】(作りやすい分量)

小松菜            1把
板海苔            1枚
醤油            大さじ1
自然塩           ひとつまみ

【作り方】

①青菜は根元が太いものは包丁で切り目を入れ、たっぷりの水でよく洗う。根元近くは斜めに切って、あとは3cm長さにざく切り。
② 厚手の鍋を中火で温め、青菜を素炒りして、水大さじ3を入れ、自然塩ひとつまみを振り入れ、蓋をしてごく弱火で蒸し煮する。途中、上下を返して、さらに蒸し煮する。
③ 青菜に火が通ったらバットに広げ、醤油をまぶして下味をつける。
④ 板海苔を火であぶって、細かくしたものを③と和える。

ワンポイント

・火が強すぎると焦げてしまいます。ごく弱火で蒸し煮することがポイント。
・塩ゆでするよりも蒸し煮すると、ぎゅっとうま味のつまった小松菜の和え物ができます。

小川原智子著「人生が変わる!心と体を温める料理教室」(フォレスト出版)

小川原智子著「人生が変わる!心と体を温める料理教室」(フォレスト出版)

小川原智子(おがわらともこ)プロフィール

体温を上げる料理研究家 イエローハーモニー代表

1971年大阪生まれ。

2001年、マクロビオティック料理教室イエローハーモニーを茨城県土浦市にオープン。

延べ1万2000人の生徒を指導。料理教室をはじめ「食卓から世界を笑顔に」をテーマに温活商品のプロデュースや料理レシピの制作、起業向けの健康経営研修、小中学校での食育講座などを行う。

講演会の登壇は300回を超え、活動の場が全国に広がっている。著書「人生が変わる!心と体を温める料理教室」(フォレスト出版)

・小川原智子公式HP
https://ogawaratomoko.com/

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