第21回心も体も変わる温活レシピ 自家製“手前醤油”で温活 ~体を温める発酵調味料「醤油」
【温活料理研究家 小川原智子さん】

第21回心も体も変わる温活レシピ 自家製“手前醤油”で温活 ~体を温める発酵調味料「醤油」
【温活料理研究家 小川原智子さん】

2022/11/24

体を温める発酵調味料「醤油」

「手前味噌」-。味噌が各家庭で作られていた頃、自家製の味噌を互いに自慢し合ったことから、身内や自分自身を褒めたり自慢したりする言葉として使われています。我が家では“手前味噌”だけではなく、“手前醤油”があります。毎年、醤油も手作りしています。

千葉県の発酵の里、神崎町のフジハン醤油6代目、高橋半治さんに5年ほど前に醤油作りを教えていただいて以来、毎年自家製醤油を作っています。“味噌開き”ならぬ“醤油開き”で手作り醤油の一滴をいただいたときのおいしさといったら、言葉にできないほどでした。

醤油を飲むというとなんですが、ままさに「飲んでおいしい醤油」。飲むといってもゴクゴクのむわけではなく、ほんの1滴、口に含んでみると、醤油のうまみが口の中に広がってまろやかで、さらりとしてほんのり甘い、体が喜ぶおいしさでした。 

それ以来、主催する料理教室で自家製醤油と古代発酵食「醤(ひしお)」仕込みと、生醤油や諸味(もろみ)、「醤」の料理を楽しむワークショップ「発酵カフェ」を開いています。

醤油の材料は、大豆、小麦、麹菌、塩、水。大豆は、脱脂加工大豆ではなく国産の丸大豆、塩はミネラルたっぷりの自然塩を使用して、長期熟成の丸大豆本造醸醤油を作っています。

醤油作りは、まず大豆と小麦を完全に冷ましてから麹菌をまぶして、醤油麹を作ります。蒸した大豆と醤油麹を合わせて、容器に入れ、自然塩と仕込み水をよく混ぜ合わせたものを加えて、容器を振ってよく攪拌します。

1年から2年ほど発酵、熟成させます。仕込んでから発酵を促すために、容器をよく振って、新鮮な空気を送ります。寝かせているうちに発酵が進んでいきます。

熟成を終えたら、いよいよ醤油絞りです。醤油諸味(もろみ)を絞り、液体と固形物に分けます。おうちで搾るには、①ザルで液体分離②ザルとさらしで自重絞り③重しで圧搾④珈琲フィルターでろ過する方法などがあります。

私は、珈琲フィルターでろ過しています。珈琲ドリッパーを使うと、見た目にも楽しく醤油を絞ることができます。珈琲サーバーにドリッパーをのせ、紙フィルターを敷いたところに醤油諸味を流し入れます。ポットに1滴1滴落ちてきた液体が、生醤油です。
 

一般的には、絞った醤油に火入れをして、完成となります。生醤油は微生物が活きているので、そのままボトルに詰めて、常温で流通させると、キャップが飛んだりする恐れがあります。そこで、火入れ(加熱)して、微生物の働きを止め、ボトリングします。

熱を加えることで微生物の多くは死滅してしまいます。自家製の醤油なら、生きた微生物が含まれた生醤油を楽しめます。(保存は要冷蔵になります)
  
料理教室では、自家製醤油作りとともに、古代発酵食「醤」も仕込んでいます。

「醤」とは、万葉集にも詠まれている「なめ味噌」の一種。現在の醤油や味噌の原点ともいわれている日本の伝統調味料の一つです。醤油の原形のひしお(=比之保)は、約2,000年の弥生式文化時代から大和時代にかけて作られたとされています。農耕民族により「穀比之保」ができ、その「穀比之保」の作り方が仏教伝来とともに、中国から日本に「醤」として伝わってきました。

「醤」の材料は、麦麹と豆麹、醤油、水。容器に入れて、よく混ぜ合わせ毎日かき混ぜて、2週間程度で自家製「醤」が出来上がります。

昆布や唐辛子などを加えると、さらに美味しさがアップします。作り立てもおいしいですが、熟成が進むにつれて、味や色、香りが増していきます。
生醤油や諸味、「醤」を使った料理を食べた生徒様からこんな言葉をいただいています。

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「食べると血の巡りがよくなったのがわかります」

「体の中からぽかぽか温かくなってきました」

いつも手先が冷たいのに温かくなって、びっくりです。

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生徒様が体感されているように、醤油は、ナトリウム(塩分)を多く含み、体を温める効果があります。体の代謝酵素を助け、体内の発熱を促します。冷え性を改善し、血圧上昇を抑える作用があるとされています。

「塩分の摂り過ぎはよくない」という情報が知られていますが、実は冷え性や低体温の人には、ナトリウム(塩分)は大切な成分。塩や味噌も体を温める調味料となります。
温活効果があるといっても、醤油(塩分)の摂り過ぎはよくありません。個々の体質、食習慣によって、適量の醤油(塩分)を摂るようにしましょう。目安としては、食べる人が「おいしい」と感じる味が、その人の生理的適量と考えています。

醤油は、大豆と小麦を塩で発酵させた微生物と酵素、アミノ酸たっぷりの天然の発酵調味料です。時間をかけて発酵させた醤油は、アミノ酸や有機酸、ビタミン、ミネラル、酵素など数百種類以上の成分を作り出し、独特のうま味とコク、香りが醸し出されます。江戸時代までは、貴重な薬用調味料として大切にされてきました。

温活レシピ「VEGAN ナッツの醤油スコーン」

材料(天板1枚分)

 
薄力粉 2.5カップ
ベーキングパウダー(ノンアルミニウム) 大さじ1/2
植物油(菜種サラダ油など) 60g
無調整豆乳    70g
醤油      大さじ1
甜菜糖     大さじ2
くるみ  大さじ2
強力粉       適宜

【作り方】

①薄力粉、ベーキングパウダーを合わせて、ふるっておく。くるみは粗く刻んでおく。
②無調整豆乳、甜菜糖をボウルに入れ、混ぜ合わせる。
③①に植物油を一度に加えて、両手を使ってすり合わせ、さらさらの状態にする。
④③に②を加えて、木べらでさっくり混ぜ合わせる。くるみを加えて、最後に醤油を加えてさっと混ぜ合わせる。
⑤強力粉をふった台に④の生地を取り出し、何度か生地を折りたたみ、麺棒で厚さ2㎝くらいにのばしてスコーン型などで抜く。
⑥オーブンシートを敷いた天板に並べ、180℃に温めたオーブンで約15分焼く。

小川原智子著「人生が変わる!心と体を温める料理教室」(フォレスト出版)

小川原智子著「人生が変わる!心と体を温める料理教室」(フォレスト出版)

小川原智子(おがわらともこ)プロフィール

体温を上げる料理研究家 イエローハーモニー代表

1971年大阪生まれ。

2001年、マクロビオティック料理教室イエローハーモニーを茨城県土浦市にオープン。

延べ1万2000人の生徒を指導。料理教室をはじめ「食卓から世界を笑顔に」をテーマに温活商品のプロデュースや料理レシピの制作、起業向けの健康経営研修、小中学校での食育講座などを行う。

講演会の登壇は300回を超え、活動の場が全国に広がっている。著書「人生が変わる!心と体を温める料理教室」(フォレスト出版)

・小川原智子公式HP
https://ogawaratomoko.com/

・小川原智子公式ブログ
http://ameblo.jp/crescentmoko

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